2022年1月12日水曜日

『多様性の科学』

多様性の科学』という本を読んだ。

面白くて、取り上げられる実例、例えばCIAはなぜ9.11を防げなかったのか?や、1996年のエベレスト大量遭難事故が挙げられていて、読み進めてしまった。

この本を読む前は「多様性っていっても、人種とか年齢とか宗教とかいろいろあるよね。」と思っていたのだが、ものの考え方や見方が違う「認知的多様性」についても取り上げられていて、理解が深まった。

CIAの例では、CIAが優秀な白人男性という画一的な集団であったため、点はいくつも存在していたのに、ウサマビンラディンの戦略的なアプローチを見抜けなかったこと。
エベレストの例では、みんな自分の死に直結する重要なこと(天気の変化や酸素ボンベの有無)に気づいていたのに、リーダーが絶対といわれた状況で重要な情報を皆にシェアしなかったことという、ヒエラルキーにより陥ってしまった点も言及されていて、かなり面白かった。

またエコーチェンバーやフィルターバブルなど聞いたことはあったが、なんのこと?と思っていた点も説明されていてありがたかった。

結局人は自分と似たような考えや見方の人と一緒にいた方が心地いいのだが、反対意見や新しい見方を学ばないと画一的な考えに陥ってしまう。そうすると、イノベーションが生まれない。

いくらCIAのような優秀な人が集まった場合でもそうなるのだがら、普通の人なら尚更だろう。
会社の中ではもうちょっと社交性をもちつつ他の人の意見をとりいれて、プライベートでは、引き続き本から学びを得ようと思った本だった。

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